赤いアンケート用紙

あれは小学5年生の夏休みの出来事です。

小学生の僕に手紙が送られて来る事は殆ど無かったのですがラジオ体操が終わり 家に入る時 ポストの新聞を取った。

ポストを覗き込むと手紙が2通入っていて宛先を見ると僕に送られて来た手紙でした。

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部屋に入り手紙を開けてみると1通は先生からで「夏休み楽しんでますか?ケガをしないように また勉強に励んで下さい。」的な多分みんなに送っている手紙のようだった。

もう1通の手紙は何処かの教材か何かのアンケートでアンケートに答えると抽選で映画のチケットが貰えるらしく僕は丁度見たい映画がありその赤い紙のアンケート用紙を記入して出してみる事にした。

そのアンケートの内容なのだが本当に簡単で いや簡単と言うより一言

「あなたの学校で嫌いな人の名前を書いて下さい。」

そう書かれていました。嫌いな人と言われて直ぐに頭に浮かんだクラスで威張っていて僕をいじめる子の名前でした。僕はその子の名前を記入してアンケートをポストへ出しました。

夏休みも終盤に来てアンケートの事などすっかり忘れていたのですが何時もの様にラジオ体操が終わり新聞を取りにポストを覗き込むと僕宛に1通の手紙が届いていました。

部屋に入り開けて見ると「おめでとうございます。あなたが当選しました。後日映画のチケットの方をお贈り致します。」

当選の手紙でした。そしてそれとは別に赤い見知らぬ名前の書いたお札が入っていて

「このお札を夜8時以降に近所の神社の木にこの釘で打ち付けて頂ければ映画のチケットをもう一枚 差し上げます。」

そう書かれていた。僕は映画のチケットをもう一枚貰えると言う事でその晩 近所の神社に行った。

何時も通る近所の神社ですが夜と言う事もあり人影もなく少し薄気味悪かったので早く打ち付けて帰ろうと適当に木を選んだ。

持って来た金槌でお札を打ち込むと

「ぎゃーーーー」

悲鳴の様な声が聞こえ お札が小刻みに痙攣した様な気がした。

僕は怖くなり急いで自転車に飛び乗り家へ帰った。

家に帰り落ちついて今日の出来事を考えると神社にお札を打ち込むと映画のチケットをもう一枚貰えると言う事なのだが そもそも神社にお札を打ち込んだかどうか確認しようが無い。誰が何処で確認しているのだろうか 僕は何だか物凄い胸騒ぎを感じた。

3日後 家に例の映画のチケットが2枚送られて来た。

夏休みも開けて学校が始まり始業式の時 先生の挨拶の後 クラスのいじめっこ そう僕が名前を書いたあの子が亡くなった事を知らされました。

僕は赤い紙のアンケート用紙の事を思い出しあのアンケート用紙を上手く折ればお札の様にもなる。そう思ったら僕は急に怖くなって来た。

もしかしたらあの赤いお札に書かれていた名前の人を僕は殺めてしまったのでは無いのだろうか。そして僕が書いたアンケート用紙をお札にして他の見知らぬ誰かが木に打ち付けていじめっこは亡くなったのでは無いだろうか。

それともただの偶然なのだろうか。今でもあのお札を打ち込んだ時に聞こえた悲鳴とお札が小刻みに痙攣した感触を忘れる事は出来ません 結局気味が悪くて映画のチケットは今も押入れの奥に眠っています。

あの赤いアンケート用紙を送って来た会社を調べて見ましたがそんな会社自体 存在して居ませんでした。僕があの夏に体験した出来事は一体何だったのでしょうか。

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