秘密基地

あれは僕が高校生の時の夏休みの出来事です。
当時近所のわりと有名なホテルが潰れ廃虚と化していた。友達と3人でその廃墟のホテルの中を見に行こうと言うことになり探索に行った。
もちろん正面玄関のカギはかけられていたけど裏口のカギは壊れていてそこから
侵入した。別に肝試しとかではなく探検みたいな感覚だったので昼間に忍び込んだ 中は結構荒れていていろんな物がそこら中に転がっていた。 
僕たちは秘密基地ができたような感覚で良い遊び場所が出来たなと3人でその時は
喜んでいた ほとんどの部屋はカギが閉まっていて開かなかったけれど
3階の一室だけカギが開いている部屋を見つけて そこを僕たちの秘密基地にすることにした ほこりやカビ臭さが多少あるもののべットや机が放置されていて
ほかの階から使えそうなものを運び入れ僕たちはその部屋で遊んでいた。
夕方になり電気が付かないので暗くなる前に帰ることにした。
それから友達の家により明日も秘密基地に行くことになり友達と相談して
使える物を各自で持って行く事にした。

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翌日の昼過ぎに懐中電灯やローソク お菓子や飲み物食べ物 一晩過ごせるぐらい
の物を持って夏休みという事もありワクワクしながら秘密基地へと向かった。
取り敢えず荷物を3階の秘密基地に置き 前日には行かなかった地下の探検をする
事にした。地下は日が差さ無くて電気もつかないので真っ暗だった為
昨日は地下に探検に行くのを断念していた。
3人はそれぞれ懐中電灯を持ち 正直僕は地下に行っても得に何もないだろうし
3階の秘密基地でゴロゴロしたかったけど2人が地下に行きたいと言うので
しょうがないので一緒に行くことにした。

地下は本当に暗く 部屋の中は特に閉鎖的で不気味さを漂わせていた
昼間だったけれど僕はだんだん怖くなってきた 友達2人は平気な様子だったので
僕は怖いそぶりを見せないようにしていた。
そして地下のあいている部屋で鍵のたくさん入っている箱を見つけた カギを
取り出しながら見ていくと客室のカギもいくつか入っていた。
そこで取りあえず一旦秘密基地に戻り客室のカギで部屋を開けてみることにした。
幾つか試してみたがなぜか部屋番にあったカギでもカギ穴を回すことが
出来なかった。
部屋の鍵を閉める時に何か特別な処理をしたのかも知れない。
3階のあの部屋は開いててラッキーだったね 何て話しながら次は客室以外の
部屋も試して見る事にした 客室のカギはよくある何か半透明の部屋番の
書かれたキーホルダーが付いているものでそれ以外はキーホルダーに
場所の名前が書かれていた その中で「控え室」というカギを見つけ
その部屋は地下にあったのを見ていたので
もう一度地下に向かう事にした。

地下の「控え室」と書かれたドアの前に戻りカギを回すと今度はカギが開いた
友達がゆっくりと中を覗こうとすると強烈な異臭がしてすぐにドアを閉めた。

その部屋から放たれた臭いは明らかに腐敗臭だった 地下の暗さも相まって
僕は急に怖くなった。

僕「なんか ヤバそうだ もう戻ろうよ」

友達「何があるのか気にならない 中に入ってみようよ」

僕「いやあの匂い ヤバいよ」

友達「大丈夫だって 鼻摘んで覗けば」

友達はそう言ってドアのぶに手をかけた友達はこう言う時 妙に雑と言うか
慎重さに掛ける奴で友達はおもい切ってドアを開いて照らした 部屋の中に
まず見えたのは腐りかけた大きな犬の死骸だった。そして腐敗した犬の血だまりだ 薄暗く
良くは見えなかったが
僕達は叫びながら全力で逃げ出した。血の気が引くような感覚に包まれて
何度も転びそうになりながら 廃虚の裏口から飛び出した。

僕「何あれ・・・・。」

友達「犬が犬が・・・。ヤバい・・・。」

僕「怖い怖い・・・怖ぇ・・・。」

友達「何だよあれ・・気持ち悪いなぁ」

僕と友達が怖い怖いと叫んでいるともう一人の友人が青ざめた顔をして口を開いた。

友人「なぁ・・・見てないのか・・・?見たのは俺だけ・・・。」

僕「え?」

友人「犬の右にさぁ・・・・。人の足みたいなものが・・・・。」

そう言って友人は急に泣き出した。僕も泣いた。犬の奥に見えた血だまりは
もしかしてと3人共が想像した。

夕暮れになり周りもだいぶ薄暗くなって来てここにいたくない僕たち3人は
急いで自転車に乗って帰宅した それから暫くは3人とも家に閉じこもっていたが
友達が3階の秘密基地にスマホを置いて来たのでどうしても取りに行きたいので
ついて着てくれないかと電話を掛けて来た。僕と友人は嫌だったけれど
絶対に地下には行かないと言う約束をして廃虚の秘密基地へと向かった。
カギが開いている裏口から入ろうとしたけれどカギが閉じられており
完全に封鎖されていた。
仕方がないので友達はスマホを諦める事になり そのまま各自家に帰った。
内心裏口が封鎖されていて僕はほっとしていた。

あれから10年ぐらい立つ 今では廃虚もなくそこには大型スーパーが立っている
あのホテルでの出来事は今でも鮮明に覚えているが あの腐敗した犬の横に
友人が見た物は何だったのだろう・・・・・・。

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