真夜中の訪問者

俺のお袋は霊感が強くかなりの怖がりだ。子供の時、

夜寝ていたら、トントンと肩を叩かれて名前を呼ばれ、

いつもお袋に起こされた。俺は何時も目をつむりながら

「何?」

と聞くとトイレに行きたいんだけど1人でトイレに行くのは怖い

からついて来てよ。とよく言われた。

今はじいちゃんが体調が悪くお袋も精神的に参っていたので、

物凄く眠かったが俺は潔く了解した。階段を降りて行ってすぐに

ここで待って居てとお袋に言われ俺は階段に腰を下ろして

お袋を待って居た。

物凄く眠い。

壁に持たれてこのまま寝てしまいたい思いだったが、

怖がりのお袋を守らねばと子供ながらに強く思っていた。

俺は強烈な睡魔を我慢しながらお袋を待っていた。

待ち続ける事5分、10分と待てども一向にトイレからお袋が出て来る

気配がない。

何してんだよ。こっちはもう眠くて仕方が無いのに。

仕方ないのでトイレの前に小走りで駆け寄りお袋に声をかけた。

「ねぇもう眠いし早くしてよ。」

と言うと

「待ってもうすぐだからもう少しそこで待っていて」

どれだけ待たせるんだよと思っていた。

もう待ち疲れた。もう寝るよと伝えようとした瞬間、

階段側から物凄い勢いで首をつかまれ引っ張られた。

上を見上げるとお袋だった。

「アレッ」

状況が全く理解できないままお袋に引っ張られ

お袋と弟と俺の3人で寝ていた布団に押し込まれた。

朝起きて昨日の出来事をお袋に言うと、寝ぼけて夢でも

見たんじゃないのと言われた。

その日、朝ごはんを呼びに何時ものようにじいちゃんの部屋に

行くとじいちゃんが亡くなっていた。

昨日のあの出来事に関係があるのかも。

あのお袋だと思いトイレに一緒に行ったのが死神だったとしたら

いやたんに寝ぼけていただけかも知れない。

まぁあれが現実だったとしてあの時お袋が現れず、お袋だと思って

いた物を待ち続けて居たらどうなって居たのだろう。

・・・・・・・・・・・・。

その事は今となっては、知るよしもない。

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